レゾンデートル 松川です|中小企業の集客の仕組みつくり・インバウンドマーケティングの導入をお手伝いしております!
● オムニチャネル とは?:
「オムニ(omuni)」とは「全」「総」「あらゆる」「あまねく」という意味です。
顧客が購買できるあらゆるチャネル(販路、顧客接点)から購買ができるよう、流通経路をつなげ、どこかで接点をもとうとする戦略です。
テレビ、ラジオ、ダイレクトメール、カタログ、といった従来の販路に加えて、コンピューターや携帯電話、スマートフォンなどを介したインターネット通販(EC)が存在感を増しています。
そのすべての販路と流通経路がシームレスで繋がることを強調しています。
いくつかの販路を組み合わせて提供する戦略は従来からマルチチャネルと呼ばれています。
しかし、オムニチャネルはあり得る全ての販路、接点を統合することに焦点を置き、バックエンドを統合してシームレスな顧客の体験を実現します。
● オムニチャネル の近況:
米百貨店大手メーシーズは既存店舗の業績低迷を打開すべく、オムニチャネルリテーラーと称し、オムニチャネルの推進で歯止めをはかりました。しかし、挽回に至りません。
国内でもセブン&アイホールディングスが前鈴木康弘社長の肝いりで着手したECサイト起点のオムニチャネルの見直しを迫られています。
実店舗からのアプローチが苦戦する中、米アマゾンはデジタルを活用した無人店舗「Amazon Go」の試験運用など、ネットからアプローチし、攻勢をかけています。
本来、オムニチャネルでは、デジアナ問わず、顧客と接点を持ち、どこで購買しても、事業全体の売上数字が増加すればよい、と云う考え方でした。
ところが、フランチャイズ展開の場合、各店舗のオーナーは自身の店舗売上こそ命で、事業=本社のECサイトはともすればライバルになってしまいます。
店舗主体の流通企業においては、オムニチャネルは机上の空論なのでしょうか?
こんな状況の中、スーツ販売のコナカは、オーダーメイドのスーツブランド「ディファレンス」を立ち上げてオムニチャネル成功の糸口を探っています。
従来の既存チャネルのシームレスな連携に留まらず、双方にとって支援となる新サービス、新ツールとしてチャネルを設計することでサイバーとリアルの利点を活かし、互いに短所を補い合うようになっています。
ECサイト上で、サイバーな仮想仕立て(生地、色、などの組合せを仕上げ予想図を生成し目視確認)を実施し、その上で、見積りと最寄り、都合のよい実店舗へのアポイントを設定します。
実際の採寸と生の生地の確認、支払いは実店舗で実施します。
この方法だと、サイバーな空間でデジタルデータで多種多様な組合せが試せるだけではなく、実店舗も倉庫に生地格納すればよく、店舗面積の大幅な縮小がはかれます。
別事例として、女性向けアパレル事業のストライプインターナショナル(ブランド「earth music&ecology」など)は、洋服レンタル事業「メチャカリ」を展開。
月額定額でブランド洋服を1回あたり3着レンタルし、返却で、また借りなおせます。
買っても借りてもよし、で、店舗とECサイトの連携をシームレスにしています。
更に、中古のレンタル落ち洋服は、スタートトゥデイの「ZOZOUSED」で半額で販売しています。
購入、レンタルに加え、中古購入まで、LTV(顧客生涯価値)の向上をはかっています。
● オムニチャネル の展望:
既存の枠組み、チャネルを活かそうとすると、障壁を乗り越えることが難しそうなことはわかってきました。
この為、次の3つのポイントをつめることで、オムニチャネル成功がみえてきました。
1.サービスの全体像を設計すべし:
チャネルごとに戦略を考えるのではなく、包括的な事業設計が求められます。
2.体験を重視すべし:
販売チャネルの拡大ではなく、ブランドの体験の場として店舗を活用します。
3.事業全体で収益化を目指すべし:
チャネルの境をなくし、事業全体で収益最大化を目指す組織が必要です。
同じ業界、事業の成功事例ではなく、むしろ、他業種の成功事例を参考に一度頭を、先入観をリセットして、新事業立ち上げくらいの心もちで設計、構築してゆくことが成功の近道かもしれません。
オムニチャネルの成否、勝敗はまだついていません。
険しいことは周知になり、その中で成功の糸口もポツポツ見えてきました。
物流業界を見守り、参考になるところを、自社事業に持ち込めないか検討を続けましょう。
<<参照文献:日経デジタルマーケティング2017年3月号>>
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