中小企業のメールマガジン
中小企業のインバウンドマーケティングにおける中小企業のメールマガジン
中小企業のHP(ホームページ)運営における、メールマガジンの利用方法をご説明します。
マガジンと云うと、重いので、弊社ではメールニュースと呼んでいます。
有益な情報を簡素にお届けできるツールです。
よく「メールマガジンなんて読まない。迷惑なだけ」と公言するダメビジネスマンを散見します。その理由は簡単で、購読すべきではない、マガジンに懸賞などビジネス・情報収集以外の目的に自分で登録し、そして、そのことを忘れて迷惑と感じているだけ。
迷惑・スパムメールに対して、ブロックや削除などITスキルの研鑽を怠っているだけです。どうもメールを軽視する傾向がありますが、その理由が解りません。
どんなにコミュニケーションツールが発達し、SNSが隆盛しても、ほぼ100パーセントの社会人が保持している利器はメールアドレスです。
特に中小企業において、メールマガジン回帰の機運が、この数年高まっています。
これには、3つの理由があります。
- 単純なコミュニケーションツールではなく、インバウンドマーケティング・DB(データベース)マーケティングの中での利用方法の確立。
- ビジネスにおいては、空気、場の品格、堅さがまだまだ必要です。特に日本ではこの傾向が活きています。SNSは、やはり、まだ柔らかい、軽い。しっかりしたメールの方が社会的な信用度は高い。
- 利用方法が簡単。発行側も閲覧側も、ほぼ100パーセントの人が利用可能。
特に、2、3番は保守的で、デジタルデバイドに難がある中小企業にとって、無理に新しいものを使う、慣れる。無理して新たな投資をする、と云うデメリットを回避でき、導入・運営に現実的に向いているといえます。
メールマガジンの歴史
まず、「メールマガジン」の定義は、一般的な双方向の配信システムを使用するメールとは異なり、購読者同士で情報交換ができないプッシュメディア方式の配信システムを使用した一斉メールです。
英語でいう「Email Newsletter」「News Letter」は、特定の法人・個人が自社・自分の購読者へ配信するものです。
文字通りLetter(”読者”への手紙)なので、三行広告など、他社・他人の広告宣伝媒体的な機能は含みません。
初期は、企業か一部の個人が発行しているものが大半でしたが、一般化するにつれて政治家や政党、行政府、自治体、NGOなどでもメールマガジンを発行するようになりました。
メールマガジンを発行する場合、内容以外にも受信者の好みや環境の違いに配慮するなど、購読者の満足度向上に工夫が必要となります。
配慮すべき項目としては、一回のデータ量、配信頻度、形式(HTMLかテキストか)、配信停止の仕組みなどがあげられます。
配信代行業者のサービス(メールマガジンスタンド)を利用することで個人でのメールマガジン配信が可能となりました。
この二大事業者が、まぐまぐとメルマ!です(詳細後述)。
初期の発展期において、懸賞応募やインセンティブを得るためにメールアドレスの記入を必須事項とするなどしてアドレスを収集し、アドレスの記入をもってパ-ミッション=「メール送付を許可された」と拡大解釈して必要以上の頻度でメール送付を続けるといったスパム紛いの行為が横行しました。
メールマガジンの購読と解約(購読解除)の方法は2種類に分類できます。
1.オプトイン
参加の意思を示したユーザーだけにメールマガジンを送ること。
一般的なメールマガジンの形態。企業が会員を募って配信するものなどがこれにあたる。
2.オプトアウト
発信者が読者の意思と関係なくメールマガジンの購読者リストに登録し、購読中止を申し込んだユーザーは配送を止められる。
本人が登録したのではないメールアドレス宛に送信してくるものは、迷惑メール(スパムメール)として規制の対象となっている。
たとえ迷惑メールでないメールマガジンであっても、オプトアウトは以下の点でユーザーにとって不利なので勧められない。
- 不要な情報のためにメーラーの整理の手間がかかる。
- 相手が迷惑メール業者の場合、購読中止の意思表示をすることがメールアドレスの有効性を示すことになってしまうので、一層迷惑メールが増える危険性がある。
なお、宣伝・広告を目的としたメールは、特定電子メールの送信の適正化等に関する法律にて事前承諾がない受信者への送信を基本的に禁止しています(オプトイン方式)。
しかし、現実的には取り締まりは機能しているといえません。
さて、このメールマガジンそのものは、1990年代には存在していました。その後、2000年代前半、メルマガブームが訪れます。
しかし、メルマガブームは長く続きません。
ブログや動画、SNS、無料通信アプリなどなど、次々と新しいメディアが登場し、コミュニケーションツール、広告媒体として利用されるようになりました。
個人のメールアドレスがないと届けられないメルマガよりも”拡散性”が高いソーシャルメディアへと主役が移って行きました。
背景には、前述の通り、オプトアウトの迷惑メールの多発や、オプトインであっても、アドレス登録に懸賞やインセンティブを用い、見込み客ではない層がメールを受信し迷惑メールに準じる感情を抱くようになっていた。
これに加え、SNSなど新しい媒体は、何となく、新しく、旬っぽく、さも利用すれば成功する可能性が高いと云う勘違い、思い込みがメール離れを加速させたと考えています。
ところが、昨今、この流れに異変が現れています。
実際、企業は、メールを離れSNSなど新しいツール、メディアを使ってみたものの現実はそう甘くないことに気づきます。
- 皆、簡単、簡単と云うけれど、慣れないと期待したように使い勝手がよくない。
- 同じく、思ったより面倒なことが多い。
- そして、決定的に。思ったより儲からない。
SNSでの情報発信や緩い信頼関係を持つこと。これ自体は非常に大切で重要なことです。
しかし、過度の期待が先行し、マーケティングの本質、運用ルールを理解していないと、ビジネスとしての効果はでず。
魅力である拡散性の真逆に、炎上するリスクがあることに気づきます。
ソーシャルメディアの「簡単・気軽にできる・儲かる」というイメージと「現実の負荷・工数・リスク」のギャップが露見します。
こうなると、無用にメールニュースを否定する必要はありません。
SNSは、緩く、長く繋がることや、登録セグメントに対し絞り込んだリーチができる(例えば、Facebook広告)では価値がありますが、短期にビジネス成果を得るには、むしろ、1対1のツールが強いと再認識します。
これは、DB(データベース)、特に見込み客にしっかりリーチすることで成果をえるメールやLINEの出番といえます。
実は、SNS全盛期のこの数年間も、メルマガは静かに進化し続けてきました。
様々なやりとりの記録(ログ)をして顧客データベースが構築され、顧客の動向や嗜好が把握できます。
サーバー側の進化により、大量のメールを送信することが難しい状況ですが、これを解決できる専用のメール配信スタンドがASP契約で安く利用できます。
更に追い風が吹いています。
第一次メルマガブームのときには存在しない、スマートフォンの普及です。
多くの方がLINEで体感されているリーチの確かさは、同じ、1対1のツールであるメールでも生きています。
但し、前回ブームの轍を踏み、大量の情報、データに埋もれずに読む価値のある有益な情報であることを受信者(見込み客)に認識して頂いていることが肝要です。
近年、メール配信スタンドは更に進化しています。
新たな機能を実装し、外部システムとの連携。複雑な作業も簡素化、自動化されています。
特に、CTA(別ページ・コンテンツでご説明)から収集した新たなDB(見込み客)との連携や、CTI(電話対応のデジタル化・ログ)との連携が進んでいます。
さて、初期の無料メールマガジン発行をけん引し、現在もリードしているこの2社を抜きにして、日本のメールマガジンは語れません。
まぐまぐ:http://www.mag2.com/
メールマガジン代行発行業務を柱とした、メールマガジン登録や過去のバックナンバー閲覧などのサービスです。
有料メールマガジンの料金回収代行業務などを行う。設立当時は競合する事業者が少なく、急速に発展しました。
「日本初・世界最大級のメールマガジン (メルマガ)ポータル。ビジネス利用から個人の趣味まで、無料で登録・発行!パソコンひとつで誰でもカンタンに情報発信できます。発行者向け支援サービスも充実していますので安心です。」
1995年8月、創業の会社ユナイテッドデジタルがメールマガジン配信サービスを開始。
1999年1月、株式会社まぐまぐとして配信部門を切り離し子会社設立。
同9月、広告販売管理機能を分社化し、インターキュー(現:GMOインターネット)とともに、株式会社まぐクリック(現:GMOアドパートナーズ)設立。
2001年8月、有料メールマガジン配信システム『まぐまぐ!プレミアム』を公開。
メルマ!:http://melma.com/
melme!(メルマ!)とは、サイバーエージェントが運営している、メールマガジンを配信するサービスです。
「メルマ!なら約6万誌の中からお好きなメルマガを無料で読める!もちろんメルマガ発行も無料でできる!初めてのメルマガ発行を完全バックアップ」
melme!の前身は、かつてサイバーエージェントとオン・ザ・エッヂが運営していたサービス、「クリックインカム」と、「あるあるネット」についても詳述する。
1998年12月末、サイバーエージェントとオン・ザ・エッヂは提携して、クリック保証型広告付き電子メールマガジン配信事業、「クリックインカム」を立ち上げました。
1999年5月には、ディレクトリ型サーチエンジン、「あるあるネット(メルマガあるある)」を開始。
現在の「Google AdWords」のような検索エンジン連動型の画像のないテキストだけを、サーチワードに応じたサイトを優先して、表示させる広告を実現していた。
しかし、時代がついてこれずに運営状況が思わしくなく撤退。現在、皮肉な事に結果広告は急激に成長しているのは周知のとおりです。
その後、別ブランドとして運営していた他サービスを統合する形で、2000年4月、新生、電子メールマガジン配信サービス「melme!」を開始しました。
メールマガジンの代理発行を実施。バックナンバーの閲覧、メールマガジンの登録などをすることができ、
マイメルマ!という会員サービスの登録をしてメールマガジンの発行、購読しているマガジンの一覧を閲覧できます。
中小企業にとってのメールマガジン
上記、歴史で説明の通り、一度、SNSにその立場を奪われたかにみえた、メールは、LINEと共に、1対1(Peer to Peer)でのコミュニケーション機能によるリーチの高さと、DB(データベース)マーケティングの重要性が高まり、みなおされています。
DBを活用するにあたり、特別なスキルや特別な投資は必要ないことは、中小企業向きです。
配信先の多くは、一度購買頂いた客か、見込み客です。
このため、お届けする内容は期待を裏切らないようにせねばなりません。
埋もれない、読むに値する有益な情報であることが必須です。
RSSフィードや有料のメールマガジンのように、内容に重み・価値があり、購読者にとって待つに、読むに値するものであれば、十分に機能します。
平たく云いますと、迷惑メールは送らない。
何でもいいから、誰でもいいから送ってしまえ、ではなく、キチンとした相手にキチンとした内容をお届けすれば、自ずと結果はついてきます。
具体的な配信の方法をご案内します。
- ステップメール
- 定期メール
- 臨時メール
1.ステップメールは、メールマーケティングのエッセンスが凝縮されています。
物理的、技術的には、数通のステップにわたる原稿内容を予め設定しておき、初回購入やメール受信登録しての資料DL(ダウンロード)や試供品の申込み時など、フロントを起点に連続して自動に配信される形式をいいます。
例えば、10回のステップメールの場合。
1通目は即配信されます。御礼と次回以降配信のメールに読むことで得をする期待の醸成です。
2-4通目は、教育です。初回のきっかけの感想やコミュニケーションによる信頼の構築です。
5-7通目は、予告です。バックエンド商品を入手したときのメリットとしなかった場合のデメリット。更に、このメールニュース購読者だけのインセンティブの明示です。
8-10通目は、セールス・クロージングです。販売期間、販売数、特典の明示です。
フロント商品とバックエンド商品の関連性がはっきりしているケースや、バックエンドに興味のある人だけがフロントに手を出している、つまり相手も決断を急ぎたいケース、などに有効です。
多くの市販のメールマガジンの成功法の指南書では、ステップメールで成果を急ぐ方法をお勧めしています。
2.定期メールは、弊社お勧めの形式です。月次など定期的に顧客、見込み客へ情報をお届けします。
目的は2つあります。
メールニュースの執筆、入稿を促す際、多くのお客様が「人さまに読んで頂くような文章、書くことが難しい」とこぼされます。
こんなとき、弊社は即答します。「何をおこがましいことを仰っているのでしょうか? 小説家のように書くことのプロではないのに」と。
誠意をもって、プロの知見をしっかりとお伝えすることが肝要です。
もしくは、自社・自身の近況のご報告・共有です。
これらを読んだ購読者はどう感じるのか?
「頑張っているな」「マジメに取り込んでいるな」と感じ、何かあったら一声かけてみようか、と思って下さる。これで十分です。
上記、いわゆる、親近感と信頼感の醸成と共に定期メールの大きな働きがあります。
それが、教育、ナーチャリングと呼ぶものです。
教育と云うと別の意味でおこがましいのですが、要は、相手・購読者にとって有益な情報、プロとしての知見を惜しみなく開示する。ライバルが読んでいてもおかまいなしです。
ステップメールのように判断、決断を下して頂くことを急ぎません。
顧客が、選んだ相手に間違いはなかったな、と安心し、見込み客が、頼むなら、プロとして信用できそうなココにお願いしてみよう、と思って頂くことが目的です。
云い方をかえると、身近な先生として認めて頂くために定期メールをお届けし続けるのです。
3.臨時メールは、名のごとく、臨時に出すメールニュースです。
2番の定期メールは、ナーチャリング(教育+信頼性構築)に徹し、あくまでも有益な情報を提供する第三者に近い存在です。
しかし、臨時メールでは、セールス、営業に近い存在に変化します。
すなわち、本メールの購読者だけに明かす、特別なキャンペーンの告知や詳細を開示しないお得情報の予告です。この予告を「ティーザー」と呼びます。
ワクワク感・ドキドキ感に代表される興味を高め、普段のメールも、この臨時メールを挿し込むことで読み意味を高める効果も期待します。
最後に、DBマーケティングにおけるメールニュースを成功させるポイントを9つ列記します。
- 差別化する(あなただけに)
- 緊急性を演出する(期限・制限)
- お客様を参加させる(満足感)
- 「すぐに」「必ず」結果を伝える(礼儀)
- 一斉メールとパーソナルメールを使い分ける(満足感)
- フォローメールを効果的に使う(礼儀)
- 効果を測定する(技術)
- データを蓄積する(技術)
- 礼儀を正す(礼儀)
お勧めメールスタンド
1.WordPressのプラグインを利用する(詳細はCTAページにて)
無料で利用できる機能が多くあります。色々お試ししてみて下さい。
弊社は、長く、Subscribe2と云うものを利用していましたが、最新バージョンで利用できず、最近は、MailPoetを利用しています。
但し、専用のメールサーバーではないので、到達率は低く、100通程度までが無難です。
2.コンビーズ
クラウド型メール配信サービス コンビーズメール:https://www.combzmail.jp/
「コンビーズメールは、メール配信業界の老舗ブランドです。業界最大級16,170社以上の取引実績!サービスの運営開始から10年を超える信頼のメール配信システム!」
廉価で大手も利用実績が多い、信頼性の高いメールスタンドです。
以前、弊社で利用していました。
3.EXPA(エキスパ)
インターネットビジネス総合サービス エキスパートメール:https://ex-pa.jp/
「インターネットビジネスのことならエキスパ!メール配信、商品販売、セミナー運営、アフィリエイト、顧客管理など、インターネットビジネスに必要な機能を全て揃えました。」
業界最安値で初心者へのサポートも篤い初級者お勧めのサービスです。
半面、メールスタンドの域をこえて収益を目指す貪欲な姿勢を敬遠する声もききます。
現在、弊社で利用し安定した配信を実現しています。
最重要:見込み客リスト
別ページのコンテンツ、CTA(Call TO Action)とは、にてご説明しています。
お届けする内容、手法と共に重要な見込み客リストの収集、構築についてもしっかりとインバウンドマーケティングの中での意義、価値を理解して取り組みましょう。
弊社では中小企業のための、集客のコンサルティング契約をしているお客様のサイトからメールアドレスを収集し、メールマガジンの編集・発行をご一緒に実施しています。
この際、お客様の身内、Webmasterとして、アドレス登録時の受付・御礼、停止依頼時の一次対応までお請けしています。