コンサルタントに相談しても会社が変わらない理由
「コンサルタントに相談して、会社の問題点は分かった。」
「やるべきことも、ある程度整理できた。」
「提案書ももらった。」
でも……
なぜか、会社が変わらない。
中小企業の経営者から、そんな話を聞くことがあります。
もちろん、コンサルタントに相談すること自体が悪いわけではありません。
外部の専門家に相談することで、自分たちでは気づかなかった問題が見つかったり、考え方が整理されたりすることもあります。
問題は、その先です。
「分かった」ことと、「会社が変わる」ことは別だからです。
今回は、なぜコンサルタントに相談しても会社が変わらないことがあるのか。
そして、会社を実際に変えていくためには何が必要なのかについて、私なりに考えてみたいと思います。
「問題が分かる」だけでは、会社は変わらない
例えば、経営コンサルタントに相談したとします。
会社の状況を分析してもらい、
「御社の課題は新規顧客の獲得です」
と言われた。
さらに、
「ホームページからの問い合わせを増やしましょう」
「SEOに取り組みましょう」
「SNSも活用しましょう」
「営業の仕組みを見直しましょう」
と提案された。
経営者としては、
「なるほど。確かにその通りだ」
と思います。
では、その翌日から会社は変わるでしょうか。
なかなか、そうはいきません。
なぜなら、
「何をやるべきか」と「実際にやること」の間には、大きな距離があるからです。
経営者は「分かっていない」のではなく、「分かっているけれど動けない」
ここは、中小企業の経営を考えるうえで非常に重要だと思っています。
経営者は、決して何も分かっていないわけではありません。
むしろ、
「ホームページを改善しなければいけない」
「営業を強化しなければいけない」
「SNSもやったほうがいい」
「新規顧客を増やさなければいけない」
ということくらい、分かっているケースが多いのです。
問題は、
「分かっているけれど、できない」
ことです。
なぜでしょうか。
経営者には、本業があるからです
中小企業の社長は、とにかく仕事が多い。
経営判断をする。
社員のことを考える。
顧客対応をする。
営業する。
請求や資金繰りを確認する。
採用を考える。
トラブルにも対応する。
そして、新しいことも考えなければいけない。
そこに、
「SEOの記事を毎月10本書きましょう」
「SNSを毎日投稿しましょう」
「営業リストを作りましょう」
「ホームページを改善しましょう」
と言われても、
「それは分かっている。でも、誰がやるの?」
となります。
ここが、コンサルティングの難しいところです。
提案書が完成しても、実行は始まったばかり
コンサルタントから、
「今後3年間の経営戦略」
「マーケティング戦略」
「営業改革プラン」
「DX推進計画」
などを提示されることがあります。
資料としては、とてもきれいです。
現状分析があり、
課題が整理され、
目標が設定され、
施策が並んでいる。
経営者としても、
「これなら会社が変わりそうだ」
と思います。
しかし、ここで一つ考えたいことがあります。
その資料を、誰が、いつ、どのように実行するのでしょうか?
例えば、
「Webからの問い合わせを月10件にする」
という目標があったとします。
そのためには、
キーワードを決める。
記事を作る。
ホームページを改善する。
CTAを設置する。
アクセスを分析する。
問い合わせ率を見る。
記事を改善する。
SNSから誘導する。
場合によっては広告も使う。
これらを継続的に行わなければなりません。
つまり、
戦略を作ることと、戦略を実行することは、まったく別の仕事です。
「やることリスト」が増えるだけでは、会社は変わらない
コンサルタントとの打ち合わせ後に、
「やることが明確になりました!」
という状態になることがあります。
これは一見、良いことです。
しかし、私はその次が大切だと思っています。
例えば、
・ホームページを改善する
・SEOを始める
・SNSを強化する
・営業資料を作り直す
・新規顧客リストを作る
・メルマガを始める
・YouTubeを始める
・新サービスを作る
と10個の課題が出てきたとします。
全部重要そうです。
では、明日から何をやるのでしょうか?
10個全部でしょうか。
おそらく無理です。
だから、
「何をやらないか」まで決める必要があります。
そして、
「まずこれをやる」
という一つを決める。
これが実行のスタートです。
中小企業に必要なのは「正しい答え」だけではない
私は、中小企業の場合、
「何をするか」より、「何からするか」
のほうが重要な場面が多いと思っています。
例えば、
ホームページをリニューアルする。
SEOを始める。
SNSを始める。
広告を出す。
営業担当者を増やす。
新商品を作る。
どれも正しいかもしれません。
しかし、会社の状況によって優先順位は違います。
今の会社に必要なのが、
「問い合わせを増やすこと」
なのか、
「営業の成約率を上げること」
なのか、
「既存顧客からの紹介を増やすこと」
なのか、
「商品そのものを見直すこと」
なのか。
そこを見極めないまま施策を増やしても、経営者も社員も疲れてしまいます。
「正しいけれど、今やらなくていいこと」がある
これは私自身、仕事をしていて強く感じることです。
経営改善では、
「やったほうがいいこと」=「今やるべきこと」
ではありません。
例えば、SNSをやったほうがいい会社でも、今はホームページの問い合わせ導線を直したほうが効果が大きいかもしれません。
SEOが必要な会社でも、まず営業資料を改善したほうがいいかもしれません。
新規顧客が必要でも、新規営業より既存顧客へのフォローを強化したほうがいいかもしれません。
つまり、
「何をするか」より、「今は何をしないか」を決めることも経営です。
会社が変わるのは「会議室」ではなく「現場」
コンサルタントとの打ち合わせでは、会社の問題についてたくさん話します。
戦略についても議論します。
それは必要です。
でも、会社が実際に変わるのは、
会議室ではありません。
現場です。
ホームページを書き換える。
営業資料を作る。
お客様に電話する。
メールを送る。
SNSを投稿する。
新しいサービスを試す。
お客様の反応を見る。
数字を確認する。
うまくいかなければ修正する。
そして、またやる。
会社が変わるのは、この繰り返しの中です。
「実行支援」という考え方
そこで最近、私は「実行支援」という言葉を特に意識するようになりました。
実行支援とは、単に、
「これをやってください」
と指示することではありません。
例えば、
「ホームページを改善しましょう」
という話になったら、
どのページを?
何を変える?
文章はどうする?
CTAはどこに置く?
誰が作業する?
いつ公開する?
公開後に何を見る?
というところまで具体化します。
必要なら、文章を書く。
ページ構成を作る。
SEOを考える。
CTAを作る。
アクセスを確認する。
そして、結果を見て次の改善を考える。
ここまでやって初めて、
「施策が動いた」
と言えるのではないでしょうか。
コンサルタントが悪い、という話ではありません
ここは誤解してほしくないところです。
私は、
「コンサルタントは役に立たない」
と言いたいわけではありません。
むしろ、外部の専門家だからこそ見えるものがあります。
経営者自身が気づいていない問題を指摘してもらえる。
業界外の視点を得られる。
戦略を整理できる。
経営者の頭の中を整理する相手にもなってくれる。
こうした価値は非常に大きいと思います。
ただし、
コンサルティングの成果と、会社の変化は同じではありません。
コンサルタントが正しい提案をしても、
それを実行する人がいなければ、会社は変わりません。
だから私は、
「提案を受けた後、誰が実行するのか?」
というところまで考えることが重要だと思っています。
経営者に必要なのは「もう一人の自分」なのかもしれない
中小企業では、社長自身が会社の中心になっています。
判断する。
決める。
営業する。
採用する。
社員を指導する。
お客様と話す。
新しいことを考える。
でも、社長一人ですべてを考えるのは大変です。
そこで、
「ちょっと相談したい」
「これ、どう思う?」
「どちらを優先すべき?」
「この営業資料、分かりやすい?」
「このホームページ、問い合わせにつながる?」
「このアイデア、事業としてどうだろう?」
そんなことを気軽に相談できる相手がいるだけでも、経営は変わってきます。
さらに、
「じゃあ、実際にやってみましょう」
と言って、一緒に動いてくれる人がいたらどうでしょうか。
私は、そこに「社長の右腕」という仕事の意味があると思っています。
「相談相手」と「実行する人」の間にある仕事
私が考えている「社長の右腕」は、
一般的なコンサルタントとも少し違います。
もちろん、
経営について考えます。
営業について考えます。
集客について考えます。
Webについて考えます。
しかし、
考えて終わりにはしません。
一緒に考える。
優先順位を決める。
実際に作る。
実際に動かす。
結果を見る。
改善する。
必要なら、また考える。
つまり、
考える → 決める → 作る → 動く → 検証する → 改善する
このサイクルを一緒に回していく。
それが私の考える「実務型」の支援です。
会社を変えるのは、立派な計画ではない
経営計画が必要なこともあります。
戦略が必要なこともあります。
コンサルタントからアドバイスを受けることも大切です。
でも、それだけでは会社は変わりません。
会社を変えるのは、
「今日、何をするか」
です。
ホームページの1ページを書き直す。
営業先を10社決める。
既存顧客に電話する。
新しい提案書を1枚作る。
SNSの記事を1本書く。
お客様に話を聞く。
新しいサービスを一度試してみる。
小さくてもいい。
まず動く。
そして、結果を見る。
また改善する。
この積み重ねが、会社を変えていきます。
「何をすればいいか分からない」より、「何からやるか決められない」
中小企業の経営者と話していると、
「何をやればいいのか分からない」
というより、
「やることが多すぎて、何から手をつければいいのか分からない」
という方が多いように感じます。
ホームページも気になる。
SEOも気になる。
SNSも気になる。
営業も気になる。
採用も気になる。
新規事業も考えたい。
生成AIも使いたい。
でも、全部はできない。
だから必要なのは、
「正解を全部教えてもらうこと」
ではなく、
「今、一番重要なことを一緒に決めること」
なのかもしれません。
コンサルタントに相談した後こそ、スタート
もし、これまでにコンサルタントに相談したことがあるなら、
「結局、会社は変わっただろうか?」
と一度振り返ってみてください。
そして、
「提案されたことのうち、何を実行したのか?」
「なぜ実行できなかったのか?」
「誰がやることになっていたのか?」
「優先順位は決まっていたか?」
を考えてみる。
もし、
「提案内容は正しいと思う。でも、実行できていない」
のであれば、
必要なのは、もう一つの新しい提案ではないかもしれません。
実行を一緒に進める人
なのかもしれません。
「理屈より実行」
私が仕事をするうえで、大切にしている言葉があります。
「理屈より実行」
もちろん、理屈は必要です。
戦略も必要です。
分析も必要です。
でも、それらは会社を前に進めるための道具です。
最終的に必要なのは、
実際に会社が前に進むこと。
だから私は、
「何をすればいいのか」
を一緒に考えるだけではなく、
「では、やってみましょう」
と言える仕事をしたいと思っています。
経営者の隣で一緒に考え、
一緒に決め、
必要なら一緒に手を動かす。
そして、結果を見て、また改善する。
それが、
私の考える「社長の右腕」です。
社長の隣に、もう一人。
「相談して終わり」ではなく、
「相談して、一緒に動く」。
中小企業には、そんな外部のパートナーが必要な場面もあるのではないでしょうか。
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